アニメ制作工程のデータ資産を有効活用するAI管理システム
プロジェクト概要
日本のアニメ業界はクールジャパン戦略に一役買う一方で、グローバルにおける競争の中で変革を迫られている。アニメ制作現場では作業量の増大、人材不足、報酬体制の問題などが課題となっている。
このプロジェクトの目的は、ITとAI技術の導入によりアニメ制作の工程を効率化し、作業環境の改善を目指すことである。
アニメ制作は各工程を経て進行する。それは絵コンテから始まり、レイアウト、原画、背景、動画、仕上げ、撮影と続く。しかし、レイアウトと原画の段階で遅れが生じ、結果的にスケジュールがタイトになり、重労働が強いられることが多くある。絵コンテから取得した画面の設計図をもとにレイアウトを制作する工程は、非常に時間がかかるクリエイティブな作業であり、これがボトルネックとなっている。
この問題を解決するために、本プロジェクトでは制作現場のデータを活用し、クリエイターに必要な参考情報を迅速に提供する仕組みを導入し、クリエイティブな作業をサポートする。具体的には、(1)アニメ制作会社のデータをデータベース化するAIアルゴリズムを開発し、(2)そのデータベースを日本語チャット形式で操作できるアプリケーションのβ版を構築する。これにより、アニメ制作現場の効率化と労働環境の改善を実現する。
採択理由
アニメ作品の制作現場、特に第一原画を対象にAIでサポートするシステムを作る提案である。
日本発のアニメ作品は世界中で愛され、外国人が日本に興味を持つ理由としてアニメがかなり上位に挙がっている。一方、制作側に目を向けると、過重労働や低待遇、製作委員会方式の課題といった問題が残ったまま、解決のめどは立たない。海外企業の参入だけでも課題であるのに、生成AIの発展によって日本の制作会社特有のテイストを模倣することも可能になってきた。
Zhang氏、Su氏は、AI技術でクリエータ側を支援し、それによってクリエータ側が経済的なリターンもきちんと得られる事業構造・業界構造の実現を目指す。2人の能力とAI関連シーズを総動員して、手段は問わず、目的を達成して欲しい。
PM
首藤 一幸
京都大学 学術情報メディアセンター 教授
クリエータ
張 鑫
東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻
蘇 子雄
東京大学大学院学際情報学府
採択金額
11,790,000円