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2025年度未踏IT

「みんなで楽しくできる」XRリハビリテーション空間の構築

プロジェクト概要

一般的にリハビリテーション(以降、リハビリ)のフェーズは、急性期、回復期、維持期へと移っていく。本プロジェクトでは、在宅にて行う維持期リハビリに着目した。維持期リハビリは回復した身体機能の維持を目的に行われ、これを怠ると回復した身体機能の低下や日常生活に支障が出ることがある。維持期リハビリの継続性が病後の生活の質に直結するが、そのリハビリの内容は単純動作を繰り返す自主リハビリである場合が多く、極めて退屈である。

そこで本プロジェクトでは、Extended Reality(XR)を活用した「みんなで楽しくできる」リハビリテーションソフトウェアを開発する。本ソフトウェアにより、患者はその身体機能に合わせたヘッドマウントディスプレイや3Dプロジェクタなどのデバイスを使い、XR空間でのリハビリができるようにする。加えて、ローカルエリアネットワークを介して患者それぞれのXRリハビリ空間を共有できるようにすることで、患者どうしや家族などのケアラーだけではなく、地域の人なども含めた誰もがそのリハビリに参加できるようにする。リハビリで行う退屈な単調動作は、ゲーミフィケーション化することで楽しく行えるものに置き換える。さらに、XR技術によって物理的制約を取り払うことで、現実空間でのリハビリを超えた、患者により適したリハビリを可能にする。

本ソフトウェアによって、従来の一人で行うつらいリハビリを、みんなで行う楽しいリハビリに置き換えた社会の実現を目指す。

採択理由

本提案は、「リハビリは単調で継続しにくい」という現実の課題に対して、XR技術を活用した具体的かつ独創的な解決策を提示している。岡はテクノロジーが医療・福祉分野にもたらす可能性に常に注目してきたが、本提案はその可能性を明確に示すものだと感じている。

提案者が計画しているHMDと3Dプロジェクターを組み合わせたアプローチは、さまざまな身体機能レベルの患者に適応できる柔軟性を持ち、技術的にも挑戦的である。特に高く評価したのは、ローカルエリアネットワークを介して複数人が同じXR空間に参加できる仕組みである。これにより、リハビリの「社会性」という重要な側面に光を当てている点が素晴らしい。

提案者のAKATSUKIプロジェクトでの開発経験と医療機関との連携体制も、このプロジェクトの実現可能性を高める要素として評価した。保険適用期間を過ぎた後も継続的なリハビリが必要な多くの患者にとって、本プロジェクトは文字通り「ゲームチェンジャー」となると考えている。

PM

岡 瑞起

千葉工業大学 変革センター 主席研究員

クリエータ

平塚 心太朗

北見工業大学 大学院工学研究科 共創工学専攻

採択金額

2,880,000

成果報告会

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